素人が薪棚を自作してみました

自作薪棚 移住編

 

 

今回は屋根付きの大きめの薪棚を自作した過程を紹介します。

 

都会のサラリーマンを辞めて、地方に移り住み3か月ほどが経過しました。 新居には薪ストーブがあります。  現在7月ですので薪ストーブのシーズンではありませんが、次のシーズンに向けて薪の準備をしておく必要があります。
薪ストーブはまったくの初心者なので最初は何も知りませんでした。 どれくらいの量の薪を用意しておけばよいのか、そのコストは、、など。

わからないなりに知人に聞いたりネットで調べたりしながら、この3か月の間に薪の調達、薪割り、薪棚の設置などを行ってきました。

薪ストーブを設置してくれたストーブ屋さんの方が、『薪ストーブは単なる暖房器具ではなくライフスタイルです』と言っていましたが、、少しだけわかった気がします。

 

今回新たに自作の薪棚を設置しましたので、その過程をご紹介しようと思います。

『能書きはいらん。薪棚の作り方だけ見たい』という方は、目次で薪棚制作過程まで飛んでください。

 

薪(原木)購入

引っ越してすぐに、まずは薪を確保しておきたいと考えました。 きれいにカットされてすぐ燃やせる状態になった薪ももちろん市販されていますが、この先『冬の暖房は薪ストーブメインで』と思っていましたので、なるべく安く購入したいと考えました。

 

そこで、知り合いに紹介してもらった木材会社さんに問い合わせしたところ、一番安価に入手する方法は、切り倒した原木を並べてある『土場』と呼ばれる場所に自分で取りに行くことだとわかりました。

幸い、車で30分ほどの場所に住む義父が軽トラもチェーンソーも所有していましたので、一緒に土場に出かけて、玉切り、積み込み、運搬を手伝ってもらいました。

 

原木の価格は『1立方につき9,000円(税別)』とのことでした。 木の種類によって価格は異なるそうですが、私が今回選んだのは『広葉樹ミックス』というものです。 税込みで約1万円というのが相場より高いのか安いのか(恐らく安いのでしょうが、、)よくわからず、1㎥の原木というのがどれくらいの量で、薪ストーブ何か月分なのかもさっぱりわかりませんでしたが、、『まずは体験』と思って土場に出向きました。

土場

実は私は『土場』という単語も『玉切り』という単語も知りませんでした(汗)。玉切りとは原木を使うための長さに切ることだそうです。 うちの場合には薪ストーブに入る適当な長さ40cmに切りそろえていきます。

土場に行くと既に1㎥分の原木を用意してくれてあったので、土場の片隅を借りて義父と二人でひたすら玉切りしました。

作業は一日では終わらず、二回土場に出向きました。 1㎥の原木=軽トラ2杯分でした。

 

軽トラ

薪割りおよび薪の保管

やはり『田舎に来たからには斧で薪割り』と考えていましたが、持ち帰った軽トラ2杯分を斧で割るのはなかなかの重労働です。。

こんな感じ↓

ただひたすら斧で薪を割る動画です – YouTube

ただひたすら斧で薪を割る動画(第二弾、音付き) – YouTube

きれいに割れた時には爽快感を味わうことができ、斧での薪割りも楽しいのですが、結局電動の薪割機を購入して併用となりました。

これです↓

薪割り機買いました。 – YouTube

割った薪は市販の薪棚を設置して保管しました。 別途この棚用のカバーも売られています。

 

 

市販の薪棚

 

 

 

専用カバー

参考までに、ここで買いました↓

 

 

薪割りを進めながらこの棚を買い足していき、結局4台購入しました。(なんと同じ棚4台!)

ざっくりですが、こんな感じです。

1㎥の原木 = 軽トラ2杯 = 市販の薪棚4台

 

薪棚自作を決意

さて、市販の薪棚4台は埋まったものの、冒頭にも書いた通り薪ストーブ初心者の私には一冬の必要量が見当もつきません。

が、薪ストーブ先輩の知人やネット情報から、これまで蓄えた量の『少なくとも』倍以上必要そうだとわかってきました。。。

すみません、まったくの初心者の予想です。 恐らくわかっている方は『2㎥くらいでも全く足りない』とのご意見もあるかとは思います。

とりあえず、最初の冬に向けてこのままでは全く足りないことがわかったので、何とかしなくてはなりません。

同じ薪棚をさらに4台? しかしネットやユーチューブ、または近所では屋根付きの立派な薪棚を見かけます。 あんなのが欲しい!  しかし大工さんに屋根付き薪棚の作製、設置を依頼すると、、どうも40~50万円はかかりそう。。。 じゃあ、自分で作ろう!

という無茶な思考の流れとなりました。

薪棚作製過程

さて、冒頭の写真の薪棚ですが、おおよそ一週間程度で、4~5万の費用で建てることができました。

一応ぐらつかないものになりましたが、素人ですので十分な強度があるのか、木材の使い方は正しいのか、、、などはよくわかりません。

『素人でもできた』ということで、ご参考までに製造工程をご紹介します。

①サイズ

まず、薪棚のサイズですが、

・横幅10フィート(約305cm):これは市販のツーバイフォー材をカットせずそのまま使ったため

・奥行き1m:長さ40cmの薪を二列に置いて前からも後ろからも取り出せるよう

・高さ 2m : 90mm×90mm、長さ4mの角材を1/2カットして使用

・屋根の奥行 1.5m: 屋根材の波板をカットしないで済むよう5尺のものを購入。

      棚の奥行1mなので、前後に25cmずつ出っ張る

 

薪棚のサイズ

②材料

材料はすべてホームセンターで調達しました。 ほとんどのものはナフコです(ナフコって西日本に多いんですかね)。 最初に図面をしっかりと作って必要な木材のサイズと数量を決めておけば、ナフコでカットしてもらえるので、自分でカットする必要はほぼありませんでした。ちなみにナフコでは1カット20円、ツーバイフォー材などは数本まとめてカットすることができ、それで20円なのでお得です。

(さすがに購入した木材のみで、持ち込みのものは切ってもらえないそうです。。 あと、90mm角の杉角材は別料金でした。。)

調達した材料

 ・90mm角の杉の角材 2mを9本  4mを5本買って、1/2カット

 ・ツーバイフォー材 10フィートを16本

 ・ツーバイフォー材 1mを11本

 ・ツーバイフォー材 1.5mを7本(屋根用)

 ・束石(プレート付き) 9個

 ・塗料  ホームセンターブランドの防腐塗料を塗りました

 ・屋根  ポリカ波板  長さ5尺(1,520mm、幅65.5cm)  6枚

 ・ビス(ネジ釘)  大量

 

木材買い物中

 

軽トラレンタルできました(90分まで無料)

束石というのはこんなものです。これはコメリという別のホームセンターで、1個400円程度だったと思います。

 

束石

材料全てで、ざっくりと5万円近くかかったと思います。うち木材代が7割くらいか。。

ナフコでは無料で軽トラを借りることもできたので、購入材料を軽トラに積んで持ち帰りました。 積み込み、ロープ掛けは店員さんがやってくれました。本当に感謝です。

③図面

棚作製にあたって、描いてみた図面です。 いろんな情報を基に、あくまで素人が作ったものです。 『こうやればうまく棚ができる』というものではありませんので、参考程度にご覧ください。

こんな図面で作り始めました。。

 

上中下段

まず下段の図です。

 

下段の図

中段の図は下段とほぼ同じです。 束石はなし。

 

中段の図

そして上段。この図からはわかりませんが、屋根に傾斜をつけたかったので、少し工夫しています。後ほど。。

 

上段の図

黄色はツーバイ材(長さ1.5mにカット)を横置きしたものです。

④基礎設置

基礎の束石の本来の使い方とは、穴を掘って砂利を敷き詰めたところに束石を置いてモルタル流し込んで、、 というようなものだそうです。 今回は穴を掘って束石を置いて、高さ調整して周辺に砂利を流し込むだけという簡単な方法を取りました。モルタルやセメントは使っていません。

 

束石

⑤塗装

塗装は組み立て前の木材の段階と、組み立てた後、二度塗りしました。

 

塗料乾燥中

梅雨の時期だったため塗装を乾かしている最中に雨がぱらつき始めたので、慌てて苦肉の策で軒下に置きました。そういえば昔の家って軒の下に木材を置いてあった気がします。何か懐かしさを感じる光景です。

 

塗料乾燥中

⑥組み立て

まずは束石の上に柱(90mm角の杉材)を建てて、プレートにビスで固定しました。これを9個。杉材の断面をまっすぐに切ってくれてあったので、これだけで自立するのですが、押すとグラグラします。 先行きやや不安に。。。 

次に束石の上に1mのツーバイフォー3本を渡し、その上に10フィートのツーバイフォー材を4本。文章だけではわかりにくいですよね。こんな感じです。

 

下段作製中

あ、ツーバイフォー材の固定は90mm角材にビスを各2か所ずつ。ビスは70mmのものを使いました。

 

ビス留め

この段階ではまだ束石の穴を埋め戻していなかったので、各位置の水平を確認しながら、穴を深くしたり浅くしたりしながら微調整しました。

次に上段の10フィートのツーバイフォーを固定しました。

 

上段設置

すると、なんと押してもぐらつかなくなりました。なんかいい棚になりそうな気がしてきました。

ここで基礎の束石の周辺を埋め戻したため、もう後戻りはできません。

中段は束石から1mの高さに決めました。 

 

中段設置

中段まで取り付けるとかなり安定して棚らしくなりました。

残りの10フィートツーバイフォーを設置して、一気に骨格完成です。柱に接していない10フィート材は、ビスを斜めに打って固定したのですが、、こんなやり方が大工さんの常識的に許されるかどうかはよくわかりません(汗)

 

骨格完成

 

雨に濡れてしまっていますが、、斜めにビス留め

⑦屋根取付け

屋根は傾斜をつけたかったので、こんな工夫をしました。

 

屋根傾斜の工夫

 

屋根傾斜の工夫2

という訳で、波板用ビスで屋根材を固定して冒頭の写真の薪棚完成です。屋根が少し波打っているのはご容赦ください。次回はもっとうまくできるはず。。

 

完成はしましたが、薪をびっしり乗せるとまあまあの重さになるので、強度が心配です。このあとホームセンターでL字の補強金具などを調達してきて、気になる箇所に施工しようかと思っています。

時間的な経過をまとめると、、ざっとですが

デザイン図面づくり 2日

ホームセンター部材調達 + 塗装 2日

基礎穴掘り+組み立て   2日

屋根設置   1日

ほぼ一週間でできた感じです。

やってみてわかったことは、木材は必ずしもまっすぐではない。 反っていたりねじれていたりするということです。おかげで何箇所かに数ミリの狂いが出てしまいました。 強引にビスで留めてしまっています。

 

ねじれによる隙間

ナフコの若い店員さんがとても親切で、一緒になってなるべく反っていない、ねじれていない木材を選んでくれたのですが。。。 多分一人で適当に材料買っていたらもっと酷いことになっていたと思います。(名前聞かなかったけど、店員さんありがとう!)

まとめ

素人にしてはまあまあの薪棚ができたのではないかと思います。

ざっくりと、費用5万円、製作日数一週間というところです。

恐らくまた軽トラ2杯分くらいの薪は乗るのではないかと思われますので、冬までに薪を追加していきたいと思っています。

薪棚づくりを考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。